文科省が中3と小6を対象に全国で実施している学力テストはご存知かと思います。
これらは国、数(算)と科目が限定されているので、地区によっては追加で理科や社会のテストを実施しています。
宝塚市は文科省指定通りですが、尼崎や西宮、伊丹では独自テストを追加してますし、三田市では今年度から理科のテストを実施してます。

さて、そんな追加テストについて次のようなニュースを目にしました
「学力テスト 1年前と全く同じ」 (朝日新聞社)

なんでも、伊丹市で実施している追加科目(小学生は理科社会、中学生は英理社)の学力テストの問題が、昨年度に実施されたものと全く同じだったそうです。

さて、実はテスト問題が去年と同じであること自体には問題はありません。(ややここしいですね。以後テスト問題は「テスト」と表記します)。

なぜなら同一のテストで実施すれば、世代間(学年間)での学力推移がわかるのです。(つまり、去年の3年生は学力レベルが高かったが今年はそうではない、など)。

あえて同じものを実施することで、経年変化を見る試験方法は一般的であり、今回のテスト問題作成業者はこの方法をとったそうです。

ところが、市内での周知徹底が不十分であり、しかもある小学校で「テスト対策」を実施したところが大きな問題です。

その学校の生徒は、ある先生がコピーを取っておいた前年度のテストで事前練習をして、その後テストを受検しました。
これでは二重に意味がないですよね。1つは「事前のテスト対策をした」こと、もうひとつは「それと同じテストをうけた」ことです。

他の学校長らは「同じ条件でしないと調査の意味がない」と憤っていますが、それはまさにその通り。ある学校だけが「事前テスト対策」をして、万が一その結果が一人歩きするなら、「うちの学校も事前対策」をしましょう、となりますよね。

それから、業者と教育委員会の連携の悪さですも大きな問題です。

業者にすれば「すべて問題用紙と解答用紙を回収し、コピーも禁止することを事前に打ち合わせていた」と発言しているそうです。(そらそうでしょう。経年変化を確実にみるなら、この方法がわかりやすいです)。
一方教育委員会は「経年変化を見たいので、同傾向での出題を依頼したが、全く一緒とは思わなかった」とのこと。

なんでここまで連携が取れなかったんでしょうか。不思議です。

以上、びっくりなニュースを目にして思わず記事にしちゃいました。
(朝日新聞社 https://www.asahi.com/edu/news/OSK200906190010.html

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